ペニスに、ブツブツとしたにきびのようなものを発見したことはありませんか?
痛みや痒みがある場合を別にして、何も症状がなければつい放置してしまいがちですが、もしかすると病気のサインかもしれません。
本記事では、ペニスのにきびと病気の関連性を解説するとともに、治療法や予防法なども併せてお届けします。
ちんこのニキビは病気?
ペニスにできるニキビの全てが病気のサインではありませんが、中には早期治療が必要な疾患である場合もあります。
ペニスのニキビと病気の関連性を詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
包皮腺
包皮腺は主にペニスの裏筋にできる、白いのブツブツのことです。一見すると尖圭コンジローマに似ていることから焦る方が多いのですが、あくまで油分が分泌される皮脂腺が膨張して表面に現れたものなので、病気ではありません。
しかし、包皮腺はいわゆる皮脂汚れなので、蓄積されれば悪臭の原因ともなります。ペニスの清潔を保つことで予防できるので、入浴時によくペニスを洗いましょう。
包茎の方は皮脂汚れが溜まりやすいので、包皮腺が出現するリスクが高いといえます。
真珠様陰茎小丘疹(しんじゅよういんけいしょうきゅうしん)
真珠様陰茎小丘疹とは、亀頭のカリ部分を1周するように1ミリ程度のブツブツが等間隔で並んでいます。個人差があり、人によってブツブツの数は異なるでしょう。
ブツブツの正体は真皮が線維化したもので、性病などの病気ではありません。成人男性の10人に2~3人の割合で出現しており、痛みや痒みもないのが特徴です。
特に治療の必要性はありませんが、どうしても気になる方はレーザー治療などで対応が可能でしょう。
毛嚢炎(もうのうえん)
毛嚢炎は、毛根を包んでいる毛嚢が炎症を起こすことで、にきびに似たブツブツが出現します。
主に毛穴が傷つくことで起きる症状です。痒みより痛みを訴える方が多いですが、性病ではありません。自然治癒するケースも多いので、積極的に治療する必要はないといえるでしょう。
フォアダイス
フォアダイスとは皮膚の下にできるブツブツのことで、亀頭や陰茎に出現します。
こちらも包皮腺と同様に病気ではなく生理現象の一種で、健康な男性もみられる内容です。痛みや痒みもないことから放置しても良いのですが、見た目が気になる方は、レーザーなどで除去するしかありません。
フォアダイスも、尖圭コンジローマと混同されがちです。尖圭コンジローマだと思い慌てていたらフォアダイスだった。このパターンであれば問題ありません。むしろラッキーだといえるでしょう。
しかし、逆パターンの場合はどうでしょう。フォアダイスだと高を括っていたら実は尖圭コンジローマだった。そうとは知らず性交渉を持つことで、被害はどんどん拡大されています。
フォアダイスと尖圭コンジローマの見極めは、素人では難しい場合があります。心配な方は医療機関を受診するようにしてください。
尖形(せんけい)コンジローマ
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(6、11型)が原因で発症する性病の一種です。
陰茎や包皮にイボのようなものがブツブツが出現します。イボの色は主に灰色ですが、ピンクや茶色などのパターンもあります。見た目も特徴的で、鳥のトサカやカリフラワーのような突起が多発しするので、思わず嫌悪感を抱く方も多いでしょう。
尖圭コンジローマは、主に性行為によって感染します。感染後から発症まで3週間~8ヶ月ほどの潜伏期間がありますが、性器が擦れただけでウイルスが入り込むので、風俗関係からの感染も多いでしょう。
痛みや痒みがないことからつい放置してしまいますが、治癒しない限り範囲が広がっていく厄介な病気です。自然治癒することもありますが、早急に医療機関を受診することをおすすめします。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは、HSV(単純ヘルペスウイルス)が原因で発症します。ペニスに水疱ができることが特徴であり、腫れや痛み、痒みなどの症状が出現します。水疱が潰れることでさらに強い痛みが出現するでしょう。
性器ヘルペスは一度ウイルスが体内に入り込み、風邪や体調不良で免疫力が低下したタイミングで表に出てきます。逆にいえば、免疫力を高めることで症状が表に出ることを防げるので、きちんとした対策を講じることでコントロールできる病気ともいわれています。
主な感染経路はセックスですが、ウイルスが付着したタオルで性器を拭くことで感染するケースもあります。稀に便座から感染することもあります。
発症後1~2週間で症状は治まりますが、全身の倦怠感やリンパ節の腫れといった症状が出る方もいるので、早期に治療することが望ましいです。
体内に入り込んだウイルスが一生涯に渡り生き続けるので、根本的な問題を解決するために医療機関で治療を受けてください。
梅毒
梅毒とは世界中で広く見られる性病のことで、梅毒トレポネーマというウイルスを介して感染します。発症直後は、感染箇所にしこりやびらん(皮膚が剥がれて内装が露出している状態のこと)、潰瘍などが出現します。しかし、一定期間が経過すると自然に消失するため、治ったと勘違いしてしまう方が続出するのです。
ウイルスは体内に潜伏し、血液を介して全身へと侵略を開始します。このタイミングで女性とセックスを行うことで、被害が拡大していくでしょう。全身に赤い斑点(バラ疹)が広がると、梅毒が進行しているサインだといえます。
梅毒は性病という概念を飛び越える恐ろしい病気で、全身に渡って様々な症状を引き起こす可能性があります。健康上に深刻な問題がおき、最悪の場合は死に至ることすらあるのです。症状は第1期から4期まであり、第2期までが早期顕性梅毒、第3期からを晩期顕性梅毒といいます。
ウイルスは血液や精液、膣内泌液などに含まれていることから、性行為から感染するケースが多いです。稀に妊娠中の母子感染が発生することもあります。
梅毒の発症件数は年々増加していることから一種の社会問題となっており、特に性への安売りから、若い世代へ注意喚起が促されています。
軟性下疳(なんせいげかん)
軟性下疳は東南アジアや南米に多い病気で、軟性下疳菌という細菌が原因となり、亀頭や亀頭のくびれ部分に豆粒大のコブができることが特徴です。
コブが潰れて化膿することで激痛を引き起こし、腐臭を伴った膿が排出されるケースがあります。
日本ではあまり感染しない性病ですが、海外で現地の人間とセックスを行うことで感染する可能性があります。潜伏期間が2~7日と短いのも特徴で、発症後は激痛が出現するのですぐに分かります。そのため、パートナーの女性に感染させるリスクはあまり高くないといえるでしょう。
また、軟性下疳を罹患することで、HIVの感染リスクが高くなることが報告されています。
ベーチェット病
ベーチェット病は、ペニスに痛みを伴う白い潰瘍が出現することが特徴で、潰れると痕が残ってしまうケースも多いです。
症状自体は1~2週間ほどで消失しますが再発のリスクが高く、人生で何度もベーチェット病を繰り返している方も存在します。痛みのレベルに個人差はありますが、日常生活に支障をきたす可能性もあるでしょう。
基本的にステロイド外用薬で治療を行い、それでも改善されなければステロイド内服薬を使用することになります。
陰茎癌
陰茎癌は非常に稀なタイプの悪性腫瘍で、発症率はわずか0.5%未満となっています。人口10万人あたり0.2人の割合ですが、0%でない限り発症のリスクはあります。
陰茎癌と特徴は、包皮や亀頭に下記のような症状が出現することです。
- カリフラワー様の腫瘤形成
- 浅いびらん
- 周囲が突起した深い潰瘍
- 温疹様の発赤
包茎ペニスの場合は発症リスクが高く、悪臭や浸出液があるようなら迷わず泌尿器科を受診しましょう。重症化することで鼠経リンパ節や血行性に転移し、全身倦怠感や体重減少などの症状が出現するでしょう。
男性器が病気に感染する原因
ペニスが何らかの病気に罹患する原因は、非常に限定的です。都合良く解釈をすれば、それだけ防ぎやすいともいえるでしょう。
原因を知れば対応策も見えてきますので、ペニスが病気になる原因を詳しく解説していきます。
性行為による感染
性病の感染経路で真っ先に思い浮かぶのが、性行為ではないでしょうか。
自分ではなく、相手の女性が何らかのウイルスを持っている場合は、性器を介して病気に感染します。不特定多数の男性とセックスを行っている女性は、特に要注意です。
セックスによる性病発症件数は年々増加しており、背景には金銭で体を売る若い女性が増えていることが挙げられます。
パパ活女子などの言葉があるように、セックスで生計を立てている女性も多く、そういった女性と性交渉を持つことで病気を移されるというわけです。
傷口から細菌が入り込む
ペニスにできた傷口から体内にウイルスが入り込むことで、性病などを発症します。
ペニスを傷める原因は様々ですが、誤って傷つけた場合は放置せず、必ず適切な処置をしてください。また、包茎ペニスに多いですが、恥垢などの汚れが溜まることで感染症を発症するリスクも高くなります。
汚れが異臭の原因にもなりますので、パートナーのためにも、ペニスは常に清潔な状態を保ちましょう。
男性器の病気の治療法
実際に自分がペニスの病気を罹患した場合、その治療法は非常に気になるポイントでしょう。
ペニスというデリケートな部分だからこそ、素人にはどのような治療を行うのか想像ができません。そんな不安を解消するために、具体的な治療法を解説していきます。
外用薬
ステロイド入りの外用薬を塗布することで、治療ができるケースがあります。男性にとっては最も安心できる治療方法ではないでしょうか。
症状が治まっているときは基本的に外用薬を使う必要はなく、経過観察を行いながら必要に応じてペニスに薬を塗ります。
診療科目は、主に泌尿器科となります。皮膚科などのクリニックでも診てくれるでしょうが、ペニスという特殊な場所なので、泌尿器科を受診することをおすすめします。
内服や点滴
外用薬で効果が出ない場合、または体内のウイルスを完全に消滅させるには、内服薬や点滴を併用する必要があります。
ウイルスには潜伏期間というものがあり、感染から発症まで数日から数ヶ月を要します。一度発症してもすぐに症状が治まり、休息期間を経て再び発症というサイクルを繰り返す疾患も存在するので、内服薬にて菌を根こそぎ退治することでようやく完治できるのです。
化学治療や放射線治療
悪性腫瘍など命に関わるケースは、化学療法や放射線治療も視野に入れるケースがあります。
副作用も大きい治療法なので多くの方が怯んでしまいますが、必要に迫られた場合はほかに選択肢はありません。
完治まで辛い日々が続くでしょうが、覚悟を決めてください。
手術
一口に手術といっても、方法は様々です。
ペニスの病気の場合は、電気メスやレーザーなどで該当部分の切除、除去を行うケースが多いでしょう。しかし、手術治療を受けるのはよほど重症化した場合です。そうなる前に医療機関を受診し、早期治療を行いましょう。
男性器が病気にならないための予防法
そもそも、ペニスが病気にならないための工夫を行っていれば、治療に怯える必要はありません。
腫瘍のように自分ではどうにもならないケースが別ですが、多くは日々の生活に予防法を取り入れることで病気を回避できます。
自分自身でしっかりリスク管理を行っていきましょう。
常にペニスを清潔する
ペニスを清潔な状態に保つことで、病気の発症リスクを軽減できます。
汚れは菌の元にもなるので、入浴時などにしっかりペニスを洗浄することで、傷口や尿道口から細菌が侵入するのを防げるでしょう。
真性包茎の場合は自分で皮を剥くことができず、どうしても汚れが溜まりがちです。衛生面でも非常に良くないので、早期に包茎治療を受けることをおすすめします。
免疫力を高める
ペニスの病気の中には、免疫力が低下することで症状が表に出てくるタイプも存在します。
常に免疫力を高める必要があるといわれれば難易度が高いように感じますが、なんてことはありません。日々行っている健康管理に少しの工夫を加えるだけです。
例えば食事メニューにビタミンやたんぱく質といった栄養素を多く摂取できる食材を取り入れたり、毎日短時間で良いのでジョギングや筋トレなどの運動を日課とすることで免疫力を高められます。
免疫力の向上は性病予防のほかにも、風邪を引きにくくなったり、仕事や学業のパフォーマンスを上げるメリットもあります。
これまであまり免疫力を意識してこなかった方は、これを機に健康生活にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
避妊具を装着する
これは非常に重要なことですが、セックスでは必ずコンドームを装着しましょう。
100%安全とは言い切れませんが、コンドームは性病予防には非常に効果的です。性器同士が接触しても粘膜に触れる心配がありません。妊娠を望まないセックスを行う場合にも必需品ですので、ゴムを付けることが男としての責任だと考えてください。
しかし、性病の中には、キスやフェラチオから感染するタイプもあります。セックスを行う前から女性が性病持ちか確認するのは困難ですが、せめて不特定多数とセックスを行っている女性との性交渉や、風俗遊びなどを控えることが重要でしょう。
オナニーでペニスを傷めない
より強い快楽を求めて無茶なオナニーをする方がいますが、ペニスを傷めるリスクがあるのでおすすめできません。
万が一ペニスに傷ができた場合、そこから細菌が侵入するリスクは非常に高いと言えるでしょう。また、無茶なオナニーはセックスでの感度を下げ、膣内ではイケない体になるなどのデメリットもあります。
ちんこのにきびを放置するかは見極めが重要
ペニスのにきび(できもの)は、一般的に放置しても問題ない種類がある一方で、感染の拡大を防ぐためにも早めに治療が必要ケースもあります。
病気か病気でないかの見極めというのは、素人には少々ハードルが高いといえます。痛みや痒みがないからといって放置するのではなく、正しい知識を持って判断することが重要です。
疑わしきは罰せずという言葉がありますが、ペニスのにきびは疑い段階であっても医療機関を受診することをおすすめします。医師の診断を受けた結果、何もなければ笑い話で終わりますし、病気の初期症状であれば悪化する前に治療に移れるでしょう。