日本人男性の約3.5人に1人が悩んでいるといわれている早漏。
射精をコントロールできないことでセックスが満足にできないだけではなく、パートナーとの関係性にも大きな影響を与えるでしょう。早漏が原因で精神的な苦痛を受けるだけではなく、セックスに対してトラウマを抱えてしまうケースもあります。
本記事では、早漏の定義や原因を解説するだけではなく、具体的な改善策や、自分で行える射精をコントロールするための工夫など、気になる情報をお届けします。
早漏の定義とは?
そもそも、何をもって早漏と判断されるのか、その基準が気になりませんか?
日本性機能学会は、早漏の定義を下記のように定めています。
- ほんどいつも、挿入から1分以内もしくは挿入の前に射精してしまう
- セックスの相手が変わっても、ほとんどの相手で射精を遅らせることが困難
- 射精が早いことに、ストレスや苦痛を感じている
早漏ではない方からすれば、挿入して1分以内に射精に至るなど信じられない話かもしれませんが、当事者は自分で射精をコントロールをできず苦しんでいます。
射精が早すぎることは本人だけではなく、相手の女性もセックスに満足ができない問題が生じ、パートナーとの間に深い亀裂が入るケースも珍しくありません。
早漏になる原因
早漏になる原因はいくつか存在します。
戦に勝つには、まず敵を知れといいます。早漏の原因を知ることで解決策を導き出すことが可能となるので、ぜひチェックしてください。
心因性早漏
心因性早漏とは、心の不安。つまり精神状態が不安定になることで引き起こされるタイプの早漏です。
それだけ聞けば、気の持ちようでどうとでもなると思うかもしれませんが、厄介なのは脳から分泌される「セロトニン」や、「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質との関係性です。
セロトニンは、主に心を落ち着かせる役割を果たしており、不足することで精神状態が不安定となります。
一方、ノルアドレナリンはストレスホルモンとも呼ばれており、人が日常生活において強いストレスや精神的を疲労を受けることで分泌されます。射精とノルアドレナリンは密接に結びついており、ノルアドレナリンが高まるほど射精がしやすい状態だといえるのです。
セックスは気持ちが良く、男にとって快楽のはずなのに、ストレスホルモンが分泌されるというのも奇妙な話です。
話をまとめますと、射精を我慢するには、精神を安定させるセロトニンが射精を促すノルアドレナリンよりも多く分泌される必要があります。
心因性早漏はその立場が逆転しており、セロトニンの分泌量が減少されることでノルアドレナリンが優位に立ち、射精をコントロールできなくなる状態といえるでしょう。
敏感性早漏
敏感性早漏とは、読んで字のごとく多少の刺激に対して敏感に反応してしまい、自分でも予期せぬタイミングで射精に至ってしまう症状です。
亀頭過敏症とも呼ばれ、主に包茎の方に多い症状です。包茎は皮が常に亀頭を覆っているため、刺激に対する耐性が非常に弱い状態だといえます。
仮性包茎の場合は自分で皮を剥くことでペニスを膣内に挿入できますが、普段は晒されていない亀頭が突然強い刺激を受けるため、挿入後に数回動いただけで果ててしまいます。脊髄の射精中枢がダイレクトに反応してしまうため、自分ではコントロールのしようがないのです。
三擦り半(みこすりはん)といわれるように、挿入後に2、3回腰を動かしただけで射精をしてしまうケースも珍しくありません。
衰弱性早漏
「年を取ると早くなる」、こんな言葉を聞いたことはありませんか?
衰弱性早漏とは、加齢が原因で起きるタイプの早漏です。40代以降の男性に多く、男性ホルモンの分泌量が減少することで、射精を司る筋肉の量が落ちてしまうことが主な原因といえるでしょう。
いわゆる尿漏れと同じ現象で、筋肉を使って射精をこらえることが難しくなってしまうのです。
また、筋力の衰えにより射精の勢いも失われ、快感の絶頂を迎えてペニスから飛び出すというより、尿道から溢れ出て垂れ流すといった状態です。見栄え的にも悪く、若い頃と比較して射精で得られる快感も減少してしまうことが大きなデメリットでしょう。
早漏の改善策
早漏の原因が判明したところで、具体的な解決策に話を移しましょう。
早漏の改善方法は意外にもたくさんあるので、自分に合った方法を試してみてください。それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
ペニス増大
ペニスのサイズアップと早漏は無関係のように思えますが、実はそうではありません。
亀頭部分を増大させることにより、刺激に対する耐性が上がるというメリットがあるのです。また、亀頭や陰茎が大きくなれば、女性の性感帯であるGスポットを効率良く擦ることができたり、膣の奥まで刺激することが可能です。
ペニスの見た目も逞しくなるので、いいこと尽くしだといえるでしょう。
ペニスの増大方法には、増大手術とサプリメント療法があります。どちらにも一長一短ありますので、自分に合った方法を選択することが重要です。
包茎治療
包茎治療でも、早漏の改善効果が期待できます。
敏感性早漏のように、普段は亀頭が隠れていることが原因で刺激への耐性がつかないのであれば、常に刺激を受ける環境を整えてあげましょう。
包茎治療で余分な包皮を切除してしまえば、亀頭は問題なく露出された状態となります。オナニーだけではなく、衣服との摩擦など常に刺激と向き合うことで、亀頭が鍛えられていくでしょう。
包茎治療にも、包茎手術とサプリメント療法の2種類があります。こちらも自分の好みに合った方法で改善していきましょう。
ED(勃起不全)治療薬
ED治療薬に、早漏の改善効果が期待できることをご存じでしたか?シンプルにイメージすると、射精が早い方の勃起力を高めることは逆効果のように思えます。
しかし、有名アダルトグッズ製造メーカーであるTENGAHEALTHCAREの研究結果によれば、何組かのカップルにED治療薬を一定期間服用した状態で性行為を行ってもらったところ、膣内のペニスの挿入時間が約3.9分も伸びたという結果が出ました。
ED治療薬の服用を止めた後でも効果は持続したので、早漏改善にも効果的であると証明された形となります。もちろん全ての男性が同様の効果を得られると保証されているわけではありませんのでご注意ください。
チントレ
日常的にチントレを行うことで、早漏を改善できる可能性があります。
チントレはペニス内の血流改善を目的としていますが、射精を司るPC筋を鍛えることで早漏を予防できるでしょう。
一般的にチントレは専用の器具を使ったり、ペニスにローションやクリームを塗ってしごく方法が多いのですが、PC筋を鍛えるにはスクワットなどの運動も効果的です。
自分の年齢や筋肉量と相談し、無理のない範囲でトレーニングに励んでみましょう。
スクイーズ法とセマンズ法
チトントレと似た手法なのですが、「スクイーズ法」と「セマンズ法」にも早漏の改善効果があります。
スクイーズ法を簡潔に説明すると、オナニーで寸止めを何度も繰り返す方法です。具体的な手順は、下記のとおりです。
- ペニスを勃起させてオナニーを開始
- 射精したくなったら手を止め、深呼吸を繰り返す
- ペニスの状態が落ち着いたら再びオナニーを開始する
- 1~3を5回ほど繰り返す
最初は寸止めができずそのまま果ててしまうことも多いでしょうが、慣れてくれば段々とコントロールができるようになります。
セマンズ法は、パートナーの女性に協力してもらう方法です。つまりオナニーを女性の手で行ってもらうのです。
セマンズ法には、いくつかの段階があります。最初は女性の手から訓練を始め、最終的には膣内で射精を我慢できるように鍛えていきましょう。
早漏の治療薬とは?
早漏に治療薬があると聞いて、驚く方が多いのではありませんか?
早漏は脳の病気だと考える医師も多く、医学的に改善策が用意されていることは、当事者からすればありがたい話でしょう。
興味を抱いた方のために、早漏治療薬の特徴を解説します。
内服薬
早漏は、内服薬で予防することも可能です。早漏防止薬とも呼ばれ、セロトニンの分泌を促し、射精までの時間を長くしていきます。
早漏の飲み薬にはいつか種類があり、クリニックによって取り扱いが異なります。また、値段が高価というデメリットがあり、1錠で1,500円以上するタイプもあります。口喝や吐き気などの副作用が稀に出現することも覚えておいてください。
なるべくコストを抑えたタイプの治療薬もあるので、効果の持続期間と併せて医師に相談してみてください。医師の診療後に処方箋が必要なので、ドラックストアやドンキホーテ、Amazonなどで市販薬は購入できません。ご注意を。
早漏防止スプレー
内服薬のほかに、スプレータイプの治療薬も存在します。塗り薬といっても良いでしょう。
局部麻酔に使われる成分が配合されており、ペニスに吹きかけることで膣内で受ける感度を抑えていきます。
確かに刺激を軽減することで射精までの時間を伸ばすことは有効といえますが、挿入時の気持ち良さも減少してしまうので、セックスの満足感という点では首を傾げることになるかもしれません。
射精を遅らせる方法
実はちょっとした工夫を行うことで、射精をコントロールできる可能性があります。
改善策や治療薬と異なり、費用が一切掛からないので手軽に行うことができます。万が一効果が出なくても、無料であれば潔く諦めがつくでしょう。興味のある方は試してみてください。
体位を変える
人によってイキやすい体位というのは様々ですが、セックスの最中に頻繁に体位を変えることで、射精までの時間を伸ばせる可能性があります。
最初は正常位でピストン運動をしていたとして、徐々に高まりが増してきたら、一度ペニスを膣から抜きましょう。少し落ち着きを取り戻したところで、今度はバック体位で挿入するなどパターンを変えていきます。
射精を遅らせることに加え、一度のセックスで様々な体位を楽しめることもメリットでしょう。
厚めのコンドームを装着する
コンドームは、製品によって厚みが異なります。ペニスの感度を落とすのであれば、普段使用しているタイプよりも厚めのものを使うと良いでしょう。
ゴムの厚みが増すことで、女性の感度も落ちるリスクがありますが、長く挿入時間を楽しむためであれば、致し方ありません。
コンドームは、ドラックストアやアダルトショップなどで手軽に購入できます。商品ラインナップは、アダルトショップのほうが豊富でしょう。
挿入中に違うことに意識を向ける
男性であればアダルト本を読んだ経験があると思いますが、男性が挿入中に頭の中で数学の難解な方程式に臨んでいるシーンなどありませんでしたか?
要はセックスに集中せず違うことに意識を向けることで、性的な興奮を抑えているのです。考える内容は何でも結構です。なるべく性的なことから離れたものを選びましょう。
視覚と聴覚を塞ぐ
これは女性の協力がなくては実行できませんが、挿入中に視覚と聴覚を塞いでしまいましょう。
つまり女性の裸という視覚からの興奮と、女性の喘ぐ声という聴覚からの興奮を同時にシャットアウトしてしまうのです。合わせ技として、意識を違うことに向けるとより効果的でしょう。
視覚を塞ぐのは目を閉じれば良いですが、聴覚は耳栓を使うと手軽に塞ぐことができます。
しかし、冒頭でもお伝えしたとおり、事前に早漏予防のためだと女性に説明し、きちんと了承を得た上で実行してください。突然このような奇行を行えば無用なトラブルを招く要因となるでしょう。
早漏の工夫次第で十分改善することができる
早漏は、セックスにおいて大きな弊害となる厄介なものです。
自分はともかく、パートナーの女性をセックスで満足させられないことは、男としては情けない限りでしょう。自信を失いセックスに対して悩み、トラウマを抱える原因ともなります。
幸いなことに、早漏にはいくつかの改善策が用意されています。自分は早漏だから仕方がないと諦めるのではなく、まずは改善・予防のための努力をしてみましょう。
その先に待つものは、夢にまで見た楽しいセックスライフです。