日本人男性の中で、包茎の状態の方は約8割と言われています。
約8割の方が包茎である事実から、包茎は特別なものではないということがわかります。
包茎にはどのような状態があるのでしょうか。
インターネットで包茎の状態や治療方法を調べていくと、自己対処法から医師による手術の方法まで幅広く見つかり、悩まれることがあるかと思います。
真性包茎のように成人後に自力で治すことが難しい状態もあります。
包茎の種類から見分け方までをわかりやすくご説明いたします。包茎手術について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
包茎とは?図を使い3つの種類を解説
包茎は包皮の状態によって、以下の3種類に分けられます。
- 仮性包茎(かせいほうけい)
- カントン包茎(かんとんほうけい)
- 真性包茎(しんせいほうけい)
この記事を読むことで、自分がどの種類の包茎なのかを理解することができます。
最後までお読みいただき、お悩み改善に向け役立ててください。
仮性包茎とは

包皮に締めつけ(絞扼)が無く、包皮が亀頭に覆いかぶさっているが、通常時も勃起時も亀頭を簡単に露出することができる状態の包茎のことを仮性包茎といいます。
カントン包茎とは
包皮の余り以外に締めつけ(絞扼)がある状態をカントン包茎といいます。
締めつけの強さは各人各様ですが、締めつけが強いと無理に包茎の状態から亀頭をすべて露出(皮をむいた状態)させると、包皮の狭い部分が亀頭のところで首を絞めるような形になり、元に戻せなくなってしまう場合があります。
真性包茎とは

亀頭部分が包皮で覆われたままになっているのを包茎といい、包皮を引っ張っても亀頭がまったく出てこない状態を真性包茎といいます。
一般的な包茎の治療法
一般的な包茎の治療法として、以下の3つの方法があります。
- 手術
- 矯正器具
- 自力でなおす
どの方法が治療として最適かの判断に役立つかと思いますので、ご検討ください。
手術を受ける
背面切除術
陰茎の先を包んでいる皮の後ろ側を縦に切り、内側と外側の皮を縫い合わせる手術法です。
主に乳幼児期に行われます。
環状切除術
陰茎の先を包んでいる皮をリング状に切り、残った皮を縫い合わせる手術法です。
傷跡が陰茎真ん中付近にできることが多く、ツートンカラーや傷跡が目立つ場合があります。
亀頭直下埋没法
亀頭のすぐ下に傷が隠れるため、自然な仕上がりとなります。
普段他人に見られても包茎手術を受けたことが分からない、現在の包茎手術の基本となる手術方法です。
その反面、医師の技術やセンスが手術の結果を大きく左右することも多いため、アルバイト医師や研修医レベルの医師など技術の伴わない医師が行った場合、トラブルになりやすいデメリットもあります。
クランプ法
クランプという包茎手術専用の器具を用いて行われる包茎手術法です。
クランプ法は器具を用いて行うため、外科的技術をさほど要求されない比較的簡単な手術方法といえます。
そのため、今でもアルバイト医師や研修医レベルの医師が多く利用しており、あまり丁寧な手術とはいい難く、修正手術に来院されるケースが多いようです。
根部形成法
陰茎の根元で余剰包皮を切除するため、陰毛で傷が隠れるというメリットがあります。
しかし、手術の適応性が低く、幾つかの問題点があるため、現在ではあまり行われておりません。
自力で治す
ごく軽度の仮性包茎であれば、包皮にクセをつけてあげることで、自力で改善させる余地はあるのかもしれません。
また、インターネットにて仮性包茎の改善といった内容にて検索するとそのような方法がたくさん出てきます。
しかし、一時的には改善するのかもしれませんが一度伸びてしまった皮膚がそのような方法で戻ることはなく、自力で治すことは難しいです。
安全、かつ確実に治したいなら、実績豊富な医師の治療をおすすめします。
矯正器具で治す
包茎の矯正用具というものもありますが、医療として認可されているものではありません。
思わぬ怪我につながることもありますので、リスクの回避や長期的な効果が見込めるという点からも矯正器具ではなく、根本的な改善を希望であれば医療という安心・安全というところから包茎手術がおすすめとなります。
矯正器具を使って、切らずに仮性包茎を改善できるなら、それに越したことはありません。
ですが、なかには安全性に問題がある矯正器具もあるため、安易に使用するのは避けたほうがよいかと思います。
包茎の原因とは?なぜ成人になっても包茎?
仮性包茎になる原因として主なものは、幼少期に包皮を剥く習慣がなかったことです。
そもそも、新生児のときはほとんどの方が真性包茎の状態です。
成長とともに真性包茎は改善されていきますが、仮性包茎は改善しない場合があります。
幼少期に、包皮を手で剥いて亀頭を露出させることを習慣的に行なっていなかった場合は、成人してからも仮性包茎のままの場合が多いです。
日本人男性のうち、仮性包茎が占める割合は約7割ともいわれています。
地域によっては、割礼(かつれい)という、幼少期から包皮を手で剥く習慣があります。
主に幼少期の頃に、お風呂に一緒に入った親が包皮を剥いてくれることがあれば、仮性包茎になりにくいと言われています。
また、成人後に仮性包茎の状態の方が亀頭を露出させたまま放置している状態が続くと、カントン包茎になる可能性が高まります。
包茎であることの問題点3つ
包茎の方の多くある悩みの問題点として以下の3つがあります。
- 衛生面
- 見た目
- 性行為
ご自身も当てはまるかどうか、確認してみてください。
衛生上の問題
衛生上の問題は以下があげられます。
- 包茎は包皮の内側(内板)がジメジメするため雑菌が繁殖しやすい。
- 包茎は包皮炎・亀頭炎・尿道炎になりやすい。
- 包茎は尿路感染(腎盂腎炎と膀胱炎)を起こしやすい。
- 包茎だと亀頭粘膜が弱いため、粘膜感染をおこしやすく性病(性感染症)にかかりやすい。
- 包茎は不潔になりやすく、恥垢(ちこう)が溜まりやすく、臭いがでやすい。
外見上の問題
外見上の問題は以下があげられます。
- 包茎だと幼稚に見え、自信が持てない。
- 包茎だと包皮に亀頭が押し込められるため、実際の大きさよりも小さく見える。
- 包茎により、ペニスの発育を阻害してしまう。
- 包茎による外見上のコンプレックスが精神的に負担になる。
性行為での問題
性行為衛生上の問題は以下があげられます。
- 包茎は包皮の余りにより、女性器へ与える摩擦が少なくなる。
- 包茎の場合、亀頭部による膣壁への刺激が低下する。
- 仮性包茎は、普段包皮に亀頭が守られているため、刺激に弱く早漏になりやすい。
- 真性包茎の場合、女性器の中での刺激が極端に少なくなる
- 包皮の締めつけが強いカントン包茎は、SEX時に危険を伴う。
包茎の治療(手術)はいつするべき?年齢層別の考え方とは
つづいて、ここからは包茎の治療をするべきタイミングについて、年齢別に解説してきます。
包茎の手術は、人生で1度の重要な決断になるため、是非ご覧ください。
ステージ①新生児
包茎手術は早い方が良いと言われますが、新生児の場合はほとんどが「真性包茎」です。
特に、初めて出産をした親御さんは、幼年期の男の子の体について、知識があまりないことが多いため、子供のペニスを見て少し焦ってしまうかもしれません。
しかし、新生児の真性包茎は正常であり、成長するとともに少しずつ包皮は剥けてきます。
一方、新生児や乳幼児の包茎が気になって無理に剥こうとすると、包皮が元に戻らずにカントン包茎になる場合があるため、むやみに新生児の包皮を剥くのは避けたほうが良いでしょう。
ステージ②成人前
「若年層の場合、成人(第二次性徴が終わる頃)になるまでは自然に包茎が改善していくこともあるため様子を見たほうが良い」と言われることもありますが、すべての場合において、様子をみる事がよいとは限りません。
「真性包茎」や「カントン包茎」の場合は、感染症や痛みを伴う場合がありますので、早急な治療をおすすめします。
幼年期の包茎は将来自然に治癒する可能性はあります。
しかし、成人前の包茎に関しては思春期を境に一度クリニックで相談し、今後の対策を考えることもひとつかと思います。
ステージ③成人(20代〜50代)
成人後は第二次性徴が終わるため、ペニスの成長も止まります。
成長が止まるため、包茎の状態が自然に改善される見込みがなくなります。
包茎によることで、女性とのトラブルや、その他の大きなショックを受けることで、ED(勃起不全)になる可能性もあり、包茎をコンプレックスに考える方が多いです。
包茎で悩まれている成人男性は一度、包茎の専門医にご相談ください。
ステージ④高齢者
意外と多いのは60代や70代の方々で包茎手術をお受けになられる方です。
「若い頃から悩んでいたが、なかなか時間が取れずやっと落ちついて…」
「入院を経験し他の人にお世話になった際に恥ずかしかった、包茎で汚く迷惑をかけたことが嫌だった」
上記の理由で、老後に介護を受けることを考え、包茎手術を受けることも決める方が多いです。
また、孫と一緒にお風呂に入った際に恥ずかしいということがきっかけで包茎手術を受ける方も多いです。
定年後にスポーツジムやカラオケの集まりなどは女性が多く、複数の女性から注目されるようになり、第二・第三の人生を開花させたいというシニア層も増えています。
包茎は何歳になってもコンプレックスです。高齢になっても包茎手術で人生を豊かにできます。
お悩みの方は包茎の専門医にご相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ:包茎とは日本人の大半が向き合うべき症例
日本人男性の中で、包茎の状態の方は約8割と言われており、
約8割の方が包茎である事実から、包茎とは日本人の大半が向き合うべき症例であることがわかります。
包茎の要点は以下の通りです。
- 包茎の割合は、日本人男性全体の7〜8割
- 年齢により、包茎を気にする理由が異なる。
- 包茎をそのまま放置せず、自分の状態を確認することが大切
- 包茎であることを悲観する必要はないが、状態により生活に支障がでることがある
- 包茎手術などの適切な方法により治療は可能
包茎で悩まれている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。